極端に低い便器を使っているとか、カマキリみたいな長い足をもっていないかぎり、人は普通、トイレで大をするときにちゃんとしゃがみ込んではいないらしい。ところがオハイオ州立大学ウェックスナー・メディカル・センターの研究チームによれば、しゃがんだ状態こそ、人間の自然な排便姿勢であるという。 消化器病学を専門とするピーター・スタニク医師らは、踏み台を使った便通改善の実験を行った。踏み台を使う理由は単純明快、踏み台に足を載せると、腰の位置はそのままで膝が上がり、しゃがんだ姿勢に近くなるからだ。下のビデオを見るとわかるとおり、しゃがむと直腸がまっすぐになり、滞留していた便が肛門に落ちやすくなる。 〈排便姿勢矯正具(DPMD)〉の登場 消化器病学の学会誌で発表した論文のなかで、研究チームは踏み台のことを〈排便姿勢矯正具(DPMD)〉と呼んでいる。戸棚の上にあるものを取りたいときは、これからは「DPMDを持