数字を武器に図書館を変えた米国の図書館アナリスト<報告> 2013年12月13日,千代田区立日比谷図書文化館でアメリカンシェルフ講演会「アメリカの公共図書館におけるトレンド分析とマーケティング」が開催された。講師は,米国の大学や公共図書館で,トレンド分析,ビジネス・キャリア支援などの専門家として30年近くの勤務経験があるアルカ・バトゥナガー米国大使館情報資料担当官である。以下,講演内容の概要を紹介する。 バトゥナガー氏によれば,図書館の役割において不変なのは「公共機関としての責任を果たすこと」である。しかし2008年に起きたリーマンショック後の経済不況により,米国でも図書館の予算や人件費削減が行われ,さらには廃館に追い込まれる図書館すらあった。図書館を存続させる予算を確保するためには,外部に支援者を作り,また市民に「図書館は必要な場所であり予算も確保すべきである」という認識を持たせなければ