岩手・宮城内陸地震の発生から1年が過ぎた。栗原市などの被災地では復興に向けた取り組みが本格化する。中山間地を襲った震災で地域はどんな課題に直面し、再生に向けた手掛かりは何か。被災者に現状を聞き、過去の震災で復興にかかわった識者らに提言してもらった。 ◎資金難で住宅再建進まず/花山震災復興の会「がんばっぺ」事務局長 伊藤広司さん 震災は過疎化、高齢化という中山間地が抱える問題を、あらためて被災者に突き付けた。避難指示・勧告が解除されても、住宅再建は経済的負担が足かせとなって進まず、「ムラの危機」の深刻化が懸念される。 栗原市の花山震災復興の会「がんばっぺ」事務局長の伊藤広司さん(61)は「弱い人にしわ寄せがきている。年金で一人暮らしの人に何10万円、何百万円も修理費は出せない」と指摘する。 伊藤さんは市営住宅の活用を提案する。自力再建の難しい人の土地に市営住宅を建て、賃貸料は相殺する。
岩手・宮城内陸地震で宮城県栗原市は20日、同市栗駒、花山両地区で避難指示・勧告の大部分を解除したが、産業の大きな柱である栗駒山の観光復興はまだ先になる。国道398号など基幹道路では、避難解除された地区も住民以外の一般車両は通行規制が続く上、温泉施設の再開など課題は山積している。 「栗駒山は栗原市にとって重要な資源だったことを痛感した」。花山地区で道の駅「自然薯(じねんじょ)の館」を経営する花山地域開発の佐藤倫治社長(58)は事態の深刻さを強調する。 栗原市によると、同市の2008年の観光客数は前年比45.9%、宿泊観光客も48.7%に激減。震災に不況が追い打ちをかけた。 4つの温泉施設が点在する花山地区では、温泉への足となる国道398号は秋田県境までの約25キロで通行規制が続く。「もともと花山は秋田、岩手との周遊客が多く、一般の観光客が入れなければ観光復興は難しい。道の駅は規制の手前
岩手・宮城内陸地震で避難指示が続く宮城県栗原市耕英地区の栗駒小学校耕英分校(児童3人)に15日、被災住民が避難先から集まり、卒業する6年生2人のお別れ会を開いた。 分校は、住民が地区に当面戻れないため、4月からの休校が決定。OBの住民らは母校の再開を願いながら、そばを打つなど手作りの会で卒業生を送り出した。 会では金沢大樹行政区長(66)が「地震があって卒業したことは一生の思い出になるでしょう。休校は寂しいが、分校はわれわれのシンボル」とあいさつ。 卒業する高倉春奈さん(12)は「お兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さんが通った分校で、わたしも卒業式がしたかった」と作文を朗読した。 地区の宿泊施設で料理長だった父親の吉雄さん(52)に「地震で仕事がなくなり、わたしたちのために新しい仕事を見つけている姿を見て、わたしも頑張らないといけないと思った」と感謝の言葉を述べると、吉雄さんは目頭を押さ
崩落した祭畤大橋(手前)。垂直に立つ秋田側の橋脚と両側の橋台を残し、撤去することが決まった。中央は仮橋 岩手・宮城内陸地震で崩落した一関市厳美町の国道342号の祭畤(まつるべ)大橋について、岩手県は5日、治水上の問題から今年秋以降に橋げたなどを撤去する方針を明らかにした。 県によると、折れ曲がった橋げた部分と一関側の橋脚1基を取り除く。ともに橋の下を流れる沢によって土砂流出が進み、傾きが増す不安定な状況になっているためという。 工事は渇水期の秋以降に着手し、全費用は県が負担する。具体的な工法や金額は未定。県は3月下旬、市とともに地域住民を対象にした説明会を市内で開く。 橋をめぐっては、市が県に「周囲の地盤が動いて橋が崩落した特異なケース。自然の驚異を後世に伝えたい」と保存を要望していた。撤去部分を除いた秋田側の橋脚1基と両側の橋台は安定した状態にあるといい、県道路環境課は「保存できる
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く