米金融危機で邦銀の力が再評価されているが、先見性が試される局面でもある(三菱東京UFJ銀行本店=左=と三井住友銀行本店) 米金融危機を受けて日米欧の金融勢力図が急変している。三菱UFJフィナンシャル・グループはモルガン・スタンレーに出資する。一方、三井住友フィナンシャルグループにはゴールドマン・サックスから出資要請が来なかった。復権に向けてメガバンクの対米戦略は難しい局面に差し掛かっている。 三菱UFJのモルガン出資、「得られる果実」への期待と不安 三菱UFJのモルガンへの出資は異例ずくめ。通常は資産査定(デューディリジェンス)をしたうえで出資するが、今回は合意が先。出資比率も10―20%で、出資額は最大9000億円にものぼる。 40ドル台を維持していたモルガンの株価は9月に入って急落、18日には11ドル台まで下げた。これを受けモルガン側が出資を要請し、三菱UFJ側が応じた。株価はそ