「空気、読まんでしょ、ウチって」 今秋の和歌山大会準決勝で、今夏の甲子園で優勝した智弁和歌山を5-4で下した後、取材対応のための部屋に入ってきた時、和歌山東の米原寿秀監督が、開口一番に発した言葉だ。 智弁和歌山は、夏の甲子園のレギュラーメンバーで現チームに残ったのは3人とはいえ、この日登板した塩路柊季は準々決勝の石見智翠館戦で先発して6回2安打無失点、武元一輝は最終回にリリーフで投げてストレートが148キロをマークするなど、すでに全国区と言ってもおかしくない戦力が残っていた。 甲子園V智弁和歌山に仕掛けた“奇策” だが、和歌山東打線は序盤に先発の武元の速球をうまくとらえ、2回に1点を先制し、3回に2点、5回には1点を加えて4-0とリードしていた。直後の5回裏にすぐに1点を返されると、6回には2点を返され1点差に。2死一、二塁のピンチで1番の清水風太を迎えたところで和歌山東は先発のエースの麻