90億年彼方の銀河の中心核に、2年周期でお互いの周りを回る超大質量ブラックホールの連星が存在する証拠が見つかった。両者の間隔は観測史上最も近く、1万年後に合体すると予想されている。 【2022年3月2日 NASA JPL/カリフォルニア工科大学】 ほとんどの銀河の中心部には太陽の数百万倍以上の質量を持つ超大質量ブラックホールが潜んでいると考えられているが、どのようにしてそこまで成長したかは謎に包まれている。ブラックホール同士が衝突合体することで成長するという仮説があるが、超大質量ブラックホールが合体している、あるいは合体目前のところはほとんど観測されていなかった。 これまで知られていた唯一の超大質量ブラックホール同士の近接連星は、公転周期約9年の活動銀河核OJ 287だった。今回、米・カリフォルニア工科大学のSandra O'Neillさんたちの研究チームが新たに発見した「PKS 2131