NASAの木星探査機「ジュノー」の最新の成果が論文として発表され、表面に見える大赤斑や縞模様などの裏で起こっている大規模な大気現象が明らかにされた。 【2021年11月5日 NASA JPL】 2016年に木星周回軌道に入ったNASAの探査機「ジュノー」は、これまでに木星への接近探査を37回完了した。マイクロ波や赤外線といった、木星の分厚い雲を見通すことができる機器などによる観測の成果をまとめた論文が発表されている。 ジュノーのマイクロ波放射計(MWR)は大赤斑などの嵐を調べ、高層と低層での温度の違いを突き止めた。その結果から、木星の表面に見える渦の多くは100kmの深さにまで伸びていることがわかった。これは太陽光が届いて大気を温める高度よりも深い。また、大赤斑は重力に変化を及ぼすほどの質量があるので、ジュノーが時速20万kmで通過するときに起こった毎秒0.01mm程度の速度の変化を検出す