ロシアのウクライナ侵攻を語る上で、中国とウクライナの関係を押さえる必要がある。ロシアにとっては北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大阻止や親露政権の樹立だけが目的なのではない。プーチン露大統領には、中国の習近平政権と親しいウクライナの政権を排除する隠されたもくろみがある。 【写真】「ロシアは侵略国家だ」放送事故か…局員が国営テレビ生放送に乱入 中国と欧州をモスクワ経由で結ぶ国際貨物列車「中欧班列」の運行に露側が全面協力するなど、中露は表向き〝蜜月〟を演出するが、歴史的、地政学的にも真の友好関係に至らない緊張関係が存続しているのだ。 ウクライナは、中露双方にとって極めて重要な場所だ。ロシアにとってはユーラシア主義推進の最西端の橋頭保(きょうとうほ)であり、少なくともNATO勢力に対するロシア寄りの緩衝地帯であることを期待している。一方、中国は巨大経済圏構想「一帯一路」でアフガニスタン、イラン