日本の賃金が他の先進国に比べ、明らかに伸びていないことがよくわかるグラフがあります。1997年を100とした場合の実質賃金指数の推移を比較したものです。 実質賃金とは労働者が受け取った賃金に物価変動の影響を加味したものです。350mlのオレンジジュース100円の時代と200円の時代で、20万円を受け取った場合で重みは違います。その重みを加味したものです。スウェーデンは138.4、オーストラリアは131.8、経済大国アメリカも115.3と1997年の水準を軽々と上回っている一方、日本だけが89.7と下回っています。 実質賃金が下がり続ける“3つの根本原因” なぜ、日本だけがこのようなことになっているのでしょうか。その答えは複合的です。ただし、3つのポイントを抑えておくと理解しやすくなります。 1つはデフレが長引いて企業の投資機会が失われていること。もうひとつは雇用のミスマッチが広がって中間層