日本学術会議のワーキンググループ(代表・松浦啓一国立科学博物館動物研究部長)は、生物多様性情報の発信や動植物の重要標本の保管などでアジアの拠点となる「国立自然史博物館」を新設する構想をまとめた。 建設候補地に、東日本大震災の被災地・東北をあげている。学術会議が、国に重要計画を推奨する目的で策定する「第22期大型施設・大規模研究マスタープラン」に、復興のシンボルとなる計画として提案したい考えだ。生物多様性の高い沖縄も候補地としている。 自然史博物館は、動植物やそれらの化石、岩石など、過去から現在までの自然の様子(自然史)を展示する博物館。構想には、世界的に生物多様性の重要度が増していることに加え、震災で岩手県などの博物館が被災し、貴重な標本数万点が失われた教訓から、国内施設の機能拡充と分散配置の意味がある。