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ブックマーク / shorebird.hatenablog.com (7)

  • 書評 「進化倫理学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    進化倫理学入門 作者:スコット・ジェイムズ名古屋大学出版会Amazon 書は道徳哲学者スコット・ジェイムズによる進化的な考え方を取り入れた道徳についての解説書になる.大きく2部構成になっており,第1部ではヒトに道徳があるのは進化的にどう説明されるのか,道徳はどのように実装されているかについての道徳心理学が扱われ,第2部では第1部の議論を前提にした上で道徳哲学,特に規範倫理学とメタ倫理学の議論が展開されている.原題は「An Introduction to Evolutionary Ethics」. 序章 序章ではE. O. ウィルソンが巻き起こした社会生物学論争に簡単に触れながら,道徳と生物学の関わりが整理されている.これは議論が混乱しやすいので最初に扱っているのだろう.ジェイムズは生物学と道徳の関連についてキッチャーによる以下の整理を紹介している. ヒトの道徳心理がなぜあるのかについての

    書評 「進化倫理学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    norton3rd
    norton3rd 2019/03/11
  •  「孤独なバッタが群れるとき」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生 (フィールドの生物学) 作者: 前野ウルド浩太郎出版社/メーカー: 東海大学出版会発売日: 2012/11/01メディア: 単行購入: 31人 クリック: 976回この商品を含むブログ (28件) を見る 書はサバクトビバッタの研究者,前野 “ウルド” 浩太郎によるサバクトビバッタの相変異に関するである.最近立て続けに面白いを出している東海大学出版会の「フィールドの生物学」シリーズの最新刊. トノサマバッタとサバクトビバッタは一定以上個体密度が高くなると相変異を起こして群生相になり大集団で長距離を飛行し,飛来地の植物そして農作物を根こそぎにすることが知られている*1.これは古来から大厄災として記録に残され,中国では「蝗」と呼ばれて恐れられてきた*2.しかしこれが普段はおとなしい緑色のバッタの相変異したものだということが知ら

     「孤独なバッタが群れるとき」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    norton3rd
    norton3rd 2012/12/05
    素晴らしい書評だ/内容も的確
  •  「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    イカの心を探る 知の世界に生きる海の霊長類 (NHKブックス) 作者: 池田譲出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2011/06/25メディア: 単行(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 207回この商品を含むブログ (9件) を見る 書はイカの知性に興味を抱いたイカの研究者の研究物語である.ヒト以外の動物の知性の研究については霊長類やイルカ,それに一部の鳥類のものが有名だが,イカというのは意表を突いている.書ではそのような研究にいたった経緯や研究の苦労物語を交えて語ってくれている. 書はまずイカとはいかなる動物かという紹介から始まる.分類学的にはタコやオウムガイと並んで軟体動物の頭足類に属し,大きくコウイカとツツイカに分かれるということになる.これらは全て海産である*1.日人はコウイカとツツイカを普通「イカ」と呼び区別しないが,英米では一般的な名称としてcuttlef

     「イカの心を探る」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    norton3rd
    norton3rd 2011/11/01
    『彼等は明らかに学習するし,さらに短期記憶と長期記憶があるようだ.』"侵略!イカ娘"の話じゃないらしい
  • 「Missing the Revolution」 第1章 その1 - shorebird 進化心理学中心の書評など

    Missing The Revolution: Darwinism For Social Scientists 作者: Jerome H. Barkow出版社/メーカー: Oxford Univ Pr on Demand発売日: 2005/12/01メディア: ハードカバー購入: 3人 クリック: 26回この商品を含むブログ (24件) を見る 今回読んでいるのはMissing the Revolution.これは社会科学へ進化心理学を応用していこうという試みを紹介しているもので,いわば社会科学者への招待状という性質のものだ.このような試みでもっとも有名なものはE. O. ウィルソンの「Consilience」だろう.書は「Consilience」とは違って複数の学者によるエッセイ集という体裁になっている.よりバランスのとれた内容を期待しよう.主編者はジェームズ・バーコー.裏表紙の推薦の

    「Missing the Revolution」 第1章 その1 - shorebird 進化心理学中心の書評など
    norton3rd
    norton3rd 2009/09/24
    敷居高そう・・・
  • 2008-09-05

    大会第三日 (8月24日 日曜日) きょうも曇っていて,暑くなく快適だ.もっとも夕刻には雨が降り始めてしまったが,酷暑よりは遙かに過ごしやすかった.さて日最初の9時からのセッションは,「ヒトの進化」シンポジウムも面白そうではあったのだが,進化学夏の学校に参加することとした. 日進化学会夏の学校「地球環境変化と進化学」 河田雅圭によるイントロダクション IPCCによる地球温暖化の報告があって,いろいろな議論があるが,地質学スケールではかなり短い時間で温度上昇する可能性が高いのは間違いない.そしてそのような大規模な環境変化が地球の生物進化にどのような影響があるのかという視点で考える場合に,過去どうであったのかということも重要な情報となる.40万年前にはわずか50年の間に7〜12°上昇したことがあるともいわれている.生物の対応を考える場合には適応進化と移動が重要になるだろうというような流れだ

    2008-09-05
  • 2008-09-03

    大会第二日 (8月23日 土曜日) きょうも涼しくて快適だ.雨が降るかとも思ったが夕方までもってくれた. 日最初のワークショップ.「動物のデザイン」や「葉の進化」あたりも面白そうだったが,2年前から連続参加している科学哲学のワークショップに. ワークショップ「哲学はなぜ進化学の問題になるのか(パート3):哲学的観点から見た進化生物学の諸問題」 最初にオーガナイザーの森元良太から趣旨説明を兼ねて「知識としての進化学」の発表. 科学哲学の意義を説明し,演繹法と帰納法を解説.さらに推論を正当化する道具として演繹法を用いる場合の補助仮説の重要性についての指摘だった.例として「神の存在」の仮説自体はテストできず,それが「神は生物を完全に合理的にデザインした」という補助仮説を伴って初めてテストできること,別の補助仮説「ヒトをだますように生物をデザインした」を伴う場合にはテストできないのだということを

    2008-09-03
  • 2008-09-01

    今年の日進化学会は東大の駒場キャンパスで開かれた.8月に開かれるこの学会は(どこで開かれても)いつも結構暑いのだが,今年は9月下旬並という涼しい気象条件で大変快適である.いつも通り発表者の敬称,及び共同研究者のお名前は原則的に略させていただくこととする. 大会初日 (8月22日 金) 9時ちょうどに駒場に到着,登録手続きを済ませて,早速最初のシンポジウムに参加する.「協力の進化」シンポジウムも面白そうであったが,「ヒトの生活史」の方に参加.オーガナイザーは颯田葉子. シンポジウム「ヒトの生活史」 最初の発表は長谷川眞理子の「ヒトの生活史とヒト固有の性質の進化」 これは大変興味深い内容だった.現在深く考えている仮説の筋道を説明してくれたもので,当然ながら裏付けデータをとるのはこれからだろうと思われるが,非常に面白かった. ヒトとチンパンジーのクリティカルな違いはいろいろあるが,ヒト固有のい

    2008-09-01
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