子ども食堂は「貧困対策」のためにあると思われがちだが、目的はそれだけではない。孤食の解消や地域の交流、地元の農産品を使った食育などさまざまだ。「貧しい子が来る場所」というレッテル貼りは、本当に支援を求める子どもたちの足を遠ざけてしまう。 地域に住むすべての子どもや高校・大学生、高齢者など、より広い層が活動に関わることで「気になる親子」にもアクセスしやすくなるのだ。 「前歯の半分溶けた子」が食堂開設のきっかけに 千葉市若葉区の「TSUGAnoわこども食堂」が毎週開いている「こどもカフェ」はいつも、子どもたちだけでなくボランティアの高校・大学生や主婦ら、30人ほどの人でにぎわう。 取材した日のメニューは、力うどんと焼き芋。子どもたちは食事を終えると、学生たちとトランプや割りばしでつくった鉄砲遊びに興じていた。 「てるさん」こと代表の田中照美さんは、帰ろうとする子どもたちに「これ持っていきなよ」