経済的不安を緩和 大学などの中退防ぐ 世田谷区は平成28年度にも、児童養護施設を退所した若者に、区営住宅の空き部屋を月額1万円程度の家賃で貸す取り組みを始める。経済的負担を減らすことで、退所者が大学などへ進学した場合の中退を防ぐ狙いだ。ただ、退所者の中には、施設職員以外に相談相手がおらず、退所後の孤独から中退することも少なくないといい、併せて精神的支援も求められている。(植木裕香子) ◆バイトでやりくり 保育士をめざす女子短大生(20)は、経済的な理由で8歳から姉、兄とともに入所していた同区内の児童養護施設を高校卒業後に退所。現在、1人暮らしをして短大に通う。 授業料は奨学金で支払っているが、毎月の家賃や生活費などは、午後5時から午後11時まで、時給975円でスポーツクラブのアルバイトなどで得る約8万円の中からやりくりする。 連絡が取れない兄、結婚し嫁いだ姉、定年退職した父。家族に経済的に