「現時点では、中国以外の路線で影響は出ていない。ただ中国経済から波及する形で貨物やビジネス利用に影響が出てくると、その限りではない」 1月30日にANAホールディングスが開いた2019年4~12月期決算の会見。マイクを手にした福沢一郎取締役は新型コロナウイルスの感染拡大の影響について、こう話した。 会見では、全日本空輸(ANA)の2月の中国発の予約旅客数が、前年比でほぼ半減、日本発についても約4割減にとどまっていることが明らかになった。だが、現段階では業績への影響は限定的とみているようだ。福沢氏は「ネットワーク拡充の中で1つの地域に偏らない路線ポートフォリオを組んでいる」と話す。国際線全体に占める中国線の売上高の比率はSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した03年ごろは約2割だったのに対して、現在は約1割となっているとし、リスクヘッジが進んでいることを強調する。 とは言え、日々刻々と新型