人生奥の別院 トップページ ★05.1.6 去勢雑話 田中香涯「奇 珍 怪」鳳鳴堂書店より。 東洋は去勢の本場であり、かつ発源地であって、古代バビロニアやことに中国においては夙に有史以前の頃から行われていた。苗族(雲南省および貴州の一部に今も住む少数民族)の間に刑罰の一種として行われたが、いつ頃からか漢民族に伝わって、刑罰に応用され宮刑とも称され死刑に次ぐ重刑となった。最初は姦通強姦等の性的犯罪に行った刑であったが、その後になり危険な犯罪者の子孫を除く目的のために、謀反大逆の罪人に宮刑を科すことになった。あの前漢時代の歴史家で有名な司馬遷(B.C.135頃~?)も謀反をした将軍を弁護して武帝の怒りにふれ、宮刑に処せられている。その屈辱のなかで10数年を費やして太古から武帝時代に至る通史「史記」を完成した。史記はその後の歴史書のお手本となっている。 ところが隋の時代に至って宮刑は廃止と