◇シリーズ「虹の上をとぶ船」は、八戸市立湊中学校養護学級の生徒たちが坂本小九郎氏の指導を受けて制作した版画作品である。坂本氏は昭和31~55年(1956~80)の長きにわたって八戸市の教育現場に身を置き、昭和45年(1970)からは八戸市立湊中学校養護学級の担任として、版画制作を指導した。 ◆「虹の上をとぶ船」シリーズはストーリー性とテーマ性に満ちており、その概要は、作品集『虹の上をとぶ船』及び続編の『虹の上をとぶ船は何を見たか』に示されている。これらをみて感動した宮崎駿氏が「星空をペガサスと牛が飛んでいく」を自作の映画『魔女の宅急便』に用いたことは、よく知られている ◇あらすじ(青森県立美術館『芸術の青森』池田亨氏の解説より) 『虹の上をとぶ船』 海がまだきれいで、人も船も魚も動物もおなじことばではなしあっていた時代の話。造船所で生まれた船が、海に出て様々な生き物たちと出会い、「なぜ海