皇太子さまが歴博を4月23日に訪問した。滞在は5時間近くにおよび、開催中だった企画展にくわえ、希望し江戸時代を扱う常設展「近世」も見学した。歴史研究者でもある皇太子さまが関心を寄せたのは、歴博が提示する新たな江戸時代像だったようだ。 鎖国のイメージが強い江戸時代だが、常設の近世室(第3室)の展示は「国際社会のなかの近世日本」コーナーで始まる。 長崎を通したオランダや中国との交易は知られるが、外国へと開いた窓はそこだけではなかった。 琉球もその一つ。中国からは漢方薬が琉球を経由して日本列島を北上した。その交換に北海道の昆布が琉球に届いていた。そうした交易の構図や、海運の仕組みが史料や模型を通して解説されている。 対馬藩を仲介とした朝鮮とのつながり、アイヌ民族を介した北方交易も紹介されている。 現在の展示は2008年のオープン。00年に委員会を組織し検討を重ねた。中心だった久留島浩教