【ローマ福島良典】ローマ法王ベネディクト16世(85)はクリスマスイブの24日深夜、バチカンのサンピエトロ大聖堂で恒例のミサを行い、ハイテク時代に「神の存在」をないがしろにしがちな現代社会の傾向に警鐘を鳴らした。 法王は「速く移動できるようになり、時間を節約する機器が効率的になればなるほど、かえって時間は少なくなる」と述べ、技術革新と引き換えに暮らしが多忙になっているとの認識を示した。 その上で「私たちは手の届く幸福や、事業・目的の達成だけを求め、『自分たち』で手いっぱいとなり、神のための余地は残されていない」と指摘。さらに「子供や貧者、外国人のための余地もなくしている」と、現代人の内向き化と利己主義的な風潮を嘆いた。 一方、法王は暴力の絶えない中東の情勢にも触れ、「イスラエル人とパレスチナ人が平和かつ自由に暮らし、レバノン、シリア、イラクと近隣諸国に平和が訪れるように」と祈りをささ