報道陣に公開された宝塚市役所1階の放火現場。焼け焦げた机が炎の激しさを物語る。逮捕された男は放火直後「お前ら税金で食っとるんやろ。もっと市民を大事にせんかい」と言い放った=7月14日午後、兵庫県宝塚市(大塚聡彦撮影) 「オレの人生めちゃくちゃや。オレの答えはこれや」。男は怒鳴りながらカウンター越しに火炎瓶2本を投げつけると、炎は瞬く間にフロア一帯に燃え広がった。7月12日、兵庫県宝塚市役所が放火され、職員ら5人が負傷する事件が起き、兵庫県警は、現住建造物等放火容疑で高橋昭治容疑者(63)を逮捕した。県警の捜査などから、税金滞納による市の預金口座の差し押さえを機に生活が苦しくなり、市の対応に不満を募らせていた高橋容疑者の様子が明らかになってきた。「寡黙な腕利き職人」としても知られていたという高橋容疑者は「オレのやり方で決着をつける」と言い残し、放火に走った。 (行場竹彦、猿渡友希