書店で本を売っていくためには、これまで以上に書店員の力が問われている。売り場を活性化させ、売上につなげる――。そのために、現場では日々どのような「編集力」が発揮されているのか。青山ブックセンター本店で書店員を務める益子陽介氏に聞いた。 書店員は何を編集するのか。それはもちろん、本の並びです。アイデア発想の本の隣に『六法全書』を置くわけにはいきません。ただ、それはあくまで大前提。これからの書店員は本を「メディア」と捉え、書店という場所に存在するあらゆる「メディア」を編集する必要があると思います。 書店員は日々、本と向き合っています。私が勤める青山ブックセンター本店は表参道と渋谷の中間地点にあり、書店の場所柄を踏まえ、お客さまの好みを考慮して本の並びを決めています。担当しているビジネス書で大事にしているのは「提案性」と「検索性」とのバランスです。 マーケティング、ブランディング、企画など、当店