鶏まみれ 作者:繁延 あづさ亜紀書房Amazonこの『鶏まみれ』は、長崎に移住し、猟師の知り合いにお願いして狩猟の現場に同行する過程で、狩猟と肉の解体の実体験を綴った『山と獣と肉と皮』などで知られる繁延あづさの最新ノンフィクションだ。著者の持ち味は、狩猟や食肉処理の過程を、写真家ならではの高精細な文章で紡ぎ出していく文章と、彼女の人生の流れの中に「狩猟」や「食肉処理」が自然に入り込んでいく本の構成そのものにある。 今回で言えば著者は食鳥処理場に通いはじめて、スピード重視の鶏肉処理の加工の現場を3年以上身を持って体験し、様々なことを考えこの『鶏まみれ』を書いていくわけだが、それは別にこの本を書くためにやったことではなく、彼女と彼女の家族に必要なことだったからだ。具体的には、リストラにあって失職した夫が一年を費やしても仕事が見つからず、最終的に養鶏をやって卵でも売ろうかなと言い出し、妻である著

