「低所得・低物価・低金利・低成長」の「4低」が「ふつう」になった日本。かつての経済大国「高い日本」がなぜこんな「安い日本」になってしまったのか。 気鋭のエコノミスト永濱利廣氏は著書『日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』で、この「4低」状況を「日本病」と名付け、その原因と、脱却するための道筋を考察する。 日本が脱却できない「流動性の罠」とは?元米国財務長官サマーズ氏が日本に出した処方箋とは? 永濱氏が『日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』でわかりやすく説明する。 不安のあまりお金を貯め込みすぎる日本人 金融政策の基本は、金利をコントロールすることです。そして、金利をコントロールする際に基準になるのが「中立金利」(注:経済に対して引き締めでも緩和でもない中立的な金利水準)です。 では、何が中立金利を決めるかと言えば、お金の需給です。お金を使いたい人が多ければ中立金利は上がるし、貯