第3節 遺伝子の正体 (『生物Ⅱ』の範囲であったが,『生物Ⅰ』でも教えていた。現在は≪生物基礎≫の範囲) ●第1項 遺伝子を探る 1869年 核酸の発見 ミーシャー(スイス)は,膿を材料にして,細胞成分を研究していた。 彼はリンパ球から新しい物質を発見,ヌクレインと名付けた。生体に重要なリンを含んでいた。 DNA(デオキシリボ核酸)=糖(デオキシリボース)+塩基+リン酸(ヌクレオチドを単位) 1920年~1940年 遺伝物質はタンパク質と考えられていた。 なぜならタンパク質を構成するアミノ酸は20種類もあるのに,核酸には, 塩基が4種類しかない。遺伝物質の複雑さを表現するのにふさわしくないと 思われたのだ。 1944年 アベリーの実験 肺炎双球菌には病原性のS型菌と非病原性のR型菌がある。 (SはSmooth,RはRoughの意味。菌コロニーの表面の性質による) S型から核酸DNAを取り出