西日本高速道路(ネクスコ西日本)の沖縄県にある子会社が、高速道路で超音波を使って車内に警告音を鳴らすシステムを開発した。きっかけは作業中の社員がトラックにはねられ死亡した事故。開発の中心となったのは、料金所の契約社員から開発者に抜擢(ばってき)された異色の技術者だった。 沖縄自動車道西原インターチェンジ(浦添市)の車両基地。記者が窓を閉めたワゴン車の助手席に乗り、車が指向性スピーカーシステム「ウルトラソニックインパクト」に近づくと、「ピポパ、ピポパ」という警告音が響いた。 車外では人間の耳では聞こえないはずの超音波が窓に当たり、まるで車内のスピーカーから鳴っているように近くで聞こえる。ラジオをつけていても聞きとれそうな音量だ。 沖縄道で2013年7月の日中、車線規制に気づくのが遅れた大型トラックが工事現場に突っ込み、作業中だった西日本高速道路総合サービス沖縄の男性社員(当時34)が死亡した