このところ「不要不急」という言葉を聞く機会が増えた。理由は言わずと知れた新型コロナウイルス。国や各地の自治体が感染の拡大を抑えるため、不要不急の外出を自粛するよう呼びかけている。4月8日には緊急事態宣言が発令され、対象地域に指定された7都府県の知事は住民に対し、外出の自粛を要請できるようになった。 日本経済新聞を除く全国4紙で「不要不急」の言葉を使っている記事の数を調べてみたところ、2019年12月は約10本だったのに対し、2020年1月は約60本、2月は約250本と急速に増加。3月は約600本に膨れあがっている。 使われる機会の少ない言葉だが、鉄道の歴史を少しでもかじっている人なら「不要不急線」を連想するのではないだろうか。戦時中の1940年代前半、政府の命令によって休止、もしくは廃止された鉄道路線のことだ。 戦時中に約300kmの国鉄線が休止 国鉄線の場合、計約300kmに及ぶ約21線