我々は「世界」から逃れようがない。遠いと思っている「世界」は、あなたの家の玄関に来ている。気が付かないだけだ。 ジリアン・テットをご存知だろうか? 2000年頃、私がゴールドマンサックスのパートナーを務めていた頃、当時フィナンシャルタイムズ(FT)東京支局長のジリアン・テットと、バブル崩壊後の日本について議論したことがある。 金融政策の失敗、リアルと金融のダブルの下向きスパイラルが10年は続いていくこと、その間に少子高齢化の影響がデフレ効果をもたらすこと、すでに大企業は中国に脱出を開始していること、もしかすると、戦後の英国のような30年の長期の低迷に突入しているかもしれないこと、などを2人で話した。彼女の日本に懐疑的な論点は正確だった。 9月22日の日本経済新聞に「世界の債務膨張 議論を」と題したFTのジリアン・テットの論説が掲載されていた。 (編集部注:JBpressのFT翻訳記事でお読