用事があって、久しぶりに隣町の役場に出かけてみたら、見たことのない、ふにゃふにゃとしたアニメ柄キャラクターが微笑んでいた。思わず舌打ちしたくなる。帰りに道の駅に寄ってみると、ここにもアニメ柄キャラクターのポップアップが。どこにでもありそうなデザイン。安易な命名。陳腐としか言いようがない。「今更、なにやってんの?」という言葉が出そうになる。そんな私の胸中など意にも介さず、キャラクター達はぬるい笑顔をふりまいている――。 萌えおこしがシーン足り得た時代 かつて、町興しに二次元美少女が起用された時代があった。「二次元美少女」と書いてみて、思わず吹き出してしまう。いまどき、アニメ柄の女性キャラクターを「二次元美少女」と呼ぶ人はどれぐらいいるだろうか。 町興しにアニメキャラクターのたぐいを起用するのが「冒険」や「実験」に近かった頃、「萌えおこし」は一種のギャンブルだったが、うまくいけば効果的だった。