私は生まれたくなかった。 小学生の頃から中学受験対策の進学塾に通わされており、成績が伸びないと叩かれていた。 「生まれなければこんな目にあわずに済んだのに」と思いながら生きてきた。 小学生の頃から叩かれていなくても、誰でも人生のどこかのタイミングで叩かれる。 進学に失敗して、就職に失敗して、将来不安に怯えるかもしれない。恋愛に失敗して惨めな思いをするかもしれない。 結婚しても家庭が荒廃するかもしれない。子供がグレるかもしれない。中高年になってからリストラされるかもしれない。 こえてもこえても次のハードルがある。能力や幸不幸を品定めされる。友達としても、労働者としても、恋愛や結婚の相手としても。 人には価値の多寡があり、他人は他人を品評している。部下も上司を品評している。 誰も逃れられない。生まれると、採点し採点される中に強制的に放り込まれる。 他人を品定めするのが仕事という人間もいる。「与
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