ほんの少し時間を巻き戻し、 視点を変えてみれば……リザ=『スマートボア』が思っていたほど、敵パイロット『ブルーローズ』が余裕綽々に戦っていなかったとわかるだろう。 推力を載せて相手に叩き付ける強力無比で荒っぽい使い方――ブーストチャージによる蹴りが激突し合い、水晶石を高速で正面衝突させたような、澄み切った美しい激突音が響き渡った瞬間=『ブルーローズ』の操縦席に警告アラートが鳴り響いた。 『警告、警告。脚部関節に重大な損壊発生。応急措置システム作動。破損したエネルギー弁を緊急閉鎖、エネルギーラインを迂回しバイパス開始』 『お、おい、どうなっている!?』 戦闘AIがプログラミングに従って応急措置を開始/ギリー宣伝部長がおろおろした様子で役に立たない声をあげる/そのすべて無視して<パーフェクション>が着地……警告音は鳴り響いたままだが最悪の事態――脚部負荷が限界を突破し片足が大破=機動能力を失い