タンク舐めてた――撃墜された回数カウントがそろそろ100に手が届く数字になったあたりでリザは口から疲労のうめきをこぼしながら操縦席に突っ伏した。 『ゲーッヘッヘッヘ!! ゲーッヘッヘッヘ!!』 通信機越しに聞こえるキングブッカーの耳障りな笑い声=ムカつく。 『そろそろ休みにしようぜ!』 その一言に『助かった』という安堵の気持ち/同時に『耐久(タフ)』のアセンション能力を用いている自分より元気いっぱいな様子に『どうなってんの?』と呻く気持ちを抱え込んだ。 「……あんたの前の試合、『サジ』もこんな訓練をやったのかよ」 『ゲーッヘッヘッヘ! ……あんまりぼこぼこにしたせいか、キレて睨まれたわ』 こうして戦ってみるとわかる――キングブッカーは恐ろしいほどの手練れだ。 前に彼が戦った『サジ』は劇的な勝利で観客を大いに沸かせた。だがそれは、実際には千に一つの勝利を観客の前で見せつけるため、前準備で繰り
疫病が流行しているのでよぶんな外出を控えるようにという通達が出された。そのためにわたしはあなたにずっと会っていない。 オンラインで飲んでるって? あんなの会ってるとは、わたしは言わない。通話に近いと思ってる。あなたはオンライン飲みも「会ってる」にカウントするけどね。なんせアイドルのコンサートに行って「誰それに会った」って言うような人だからね。 あなたはアイドルに会ってないですー。見ただけですー。観覧しただけですー。会うっていうのはお互いがお互いを個別に認識してコミュニケーションが成立した状態を指すんですー。アイドルはあなたなんかどうでもいいんですうー。 あなたはオンラインで愚痴をこぼす。出会いがないという、いつもの愚痴だ。彼氏ほしいってあなたは言う。それなのにアプリでのアピールはど下手。あのさあ、自信がないない言いながら自信がないまま薄ぼんやりしたビジョンで彼氏作ろうとして何になるのよ。女
極太のスパゲッティをトマトベースのスパイシーなソースで食べる、東海地区の不思議な洋食系ローカルグルメ「あんかけスパ」。 この記事は、一時期の名古屋めしブームやB級グルメをきっかけに全国的にも知られるようになった、このあんかけスパの本当のスゴさを知るための「あんかけスパの楽しみ方入門」です。 前々回、前回の記事はこちらからどうぞ。 地元民も知らないあんかけスパの真実、そして老舗の本当のスゴさ【スパゲッティ・ハウス ヨコイ】 地元民も知らないあんかけスパの真実と、新時代を切り拓き続けるチェーン店【スパゲッティハウス・チャオ】 【個人店編】スパゲッティハウス シェフ 名駅西店 名古屋駅至近で楽しむ絶品あんかけスパ、今回はこちらのお店。 料理愛が強すぎるベテラン洋食シェフが自ら腕を振るう、ひたすら真面目なおいしさが圧巻です。 名古屋駅の新幹線改札がある「太閤通口」から西に数分歩くと、その街並みには
俺は海沿いの街で暮らしていて、二日に一度くらいの割合で仕事が終わってから浜辺に焚き火台を出して一人で何時間も火を焚いているという、あんまり頭の良くない趣味を持っている。 職場から家に帰ってきて焚き火台と薪を持って浜まで行くと、始められるのがおおよそ19時過ぎで、何回もやっているくせに木が炭になる時間の感覚がいまいちつかめないのもあって、「俺はいま焚き火をやってるな」と実感できる数の薪を燃やしていると綺麗に燃え尽きるのが21時半ぐらい、それからようやく夕飯を食べ始めるのでやっぱり馬鹿なんだと思う。 季節で日が落ちるのが遅いけれども、灯りのあまりない海岸なので、20時を過ぎるとかなり暗くなる。自動車が道路を行き交う音と海鳴りが聴こえる闇の中にいるのは俺だけ…では意外となくて、砂浜に降りてくる道のコンクリートで舗装された突端に、よく誰かが二人で座っていたりする。 それは必ずしも決まった人たちでは
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