カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を長崎県佐世保市のハウステンボス(HTB)へ誘致する県の区域整備計画について、国は昨年末「資金調達が不確実」などとして認めず、誘致は失敗に終わった。計画を断念した県は今後、不認定について考察した最終報告書を公表する予定。県北振興の起爆剤にしようと多額の公費を投じた挑戦はなぜ失敗したのか。これまでの経緯や県が3月に示した報告書案などを基に検証した。 ■“門前払い” 昨年末、国は不認定の理由について、資金調達の確実性やIRを運営する事業者の実績が不十分などと発表。最低限の「要求基準」を満たしていないと判断し、具体的な項目を採点する「評価基準」の審査はしなかった。県担当者は“門前払い”に言葉を失った。 県は、欧州を拠点とするカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン(CAIJ)を事業者に選定して資金調達を任せた。不認定後の県議会では「事業者選定に問題