日本の城を知り尽くした城郭ライター萩原さちこさんが、各地の城をめぐり、見どころや最新情報、ときにはグルメ情報もお伝えする連載です。今回は、河川改修工事のためまもなく姿を消す、岡山県倉敷市にある戦国時代の山城・南山城です。 洪水防止の河川工事で消滅へ 残念ながら、まもなく消滅する戦国時代の山城がある。岡山県倉敷市の、高梁(たかはし)川と小田川の合流点を見下ろす丘陵上にある南山城だ。小田川の流れをスムーズにするため、南山城は山ごと削られる。「平成30年7月豪雨」で甚大な被害が出た地域だけに、河川の付け替え工事は最優先事項だが、小田川合流点付け替え事業に伴い2017年から行われていた本格的な発掘調査によって、戦国の城の姿が明らかになっている。 まず、この城の立地がたまらない。南山城は備中国(岡山県西部)の南東部にあり、戦国時代に備中南部の重要な拠点のひとつだった猿掛城(岡山県矢掛町)の東方にある
日本の城を知り尽くした城郭ライター萩原さちこさんが、各地の城をめぐり、見どころや最新情報、ときにはグルメ情報もお伝えする連載です。今回は東北の城柵について。陸奥国府だった多賀城や、征夷大将軍・坂上田村麻呂が築いた志波城など、古代ロマンをかきたてる場所がてんこ盛りです。 <奈良時代の水洗トイレが! 最北の「古代城柵」秋田城>で述べたように、「城柵(柵)」とは、東日本に地方支配の拠点として設けられた軍事・行政施設のことだ。7世紀から9世紀にかけて、段階的に北進して設置された。 『日本書記』に初見される城柵は、647(大化3)年に越後に設置された渟足柵(ぬたりのき=新潟市)だ。「渟足柵を造りて柵戸(きのへ)を置く」と記されている。太平洋側(陸奥側)では奈良時代以降に多賀城(宮城県多賀城市)、胆沢城(いさわじょう=岩手県奥州市)、志波城(しわじょう=盛岡市)、日本海側(出羽側)では出羽柵(山形県庄
考 名古屋城問題 奈良大教授・千田嘉博さん 千田嘉博・奈良大教授 ■「史跡整備はバリアフリーで」 ――名古屋市は「史実に忠実な復元」のため、新天守にエレベーター(EV)を設けないと決めました。 「構造の一部を改変してEVを付けることには何の支障もありません。目標達成の手段として、付ける判断をすべきだと思います」 「全国各地の城を調べましたが、多くにEVがなく、健常者の目線で整備されてきたことにがくぜんとしました。特別史跡の意義は、全ての人に歴史的な空間を体感してもらうことにあります。私は各地の自治体が進める城跡の整備・活用に携わってきましたが、バリアフリーなしで完成したものもあり、率直に反省しています」 ■国際標準から遅れてる ――「城は本来防御施設だ」として、名古屋城のバリアフリー化に否定的な声もあります。 「私たちが城に立てこもって自らを守る必要があれば、バリアーにしないといけません。
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