RIETI Discussion Paper Series 12-J-031 RIETI Discussion Paper Series 12-J-031 2012 年 9 月 サービス産業における賃金低下の要因 ~誰の賃金が下がったのか~ 児玉 直美 * (経済産業研究所) 乾 友彦 † (日本大学) 権 赫旭 ‡ (経済産業研究所) 要 旨 賃金構造基本統計調査を使用して、1990 年代及び 2000 年代における日本の常用雇用労働者の賃金変 化の要因分析を行った。その結果、既存の研究結果と異なり、国際的な価格競争に巻き込まれている製 造業よりむしろ、サービス産業の賃金が下がっていたことが判明した。 製造業の賃金は、1993-1998 年の期間には上昇、1998-2003 年の期間、2003-2008 年の期間については 大きな変化が観察されなかった。一方、サービス産業は、1993 年