復元船「サン・ファン・バウティスタ号」は、津波に傷付きつつも、未来への希望をつなぐように、船首を東に向けている=石巻市渡波の宮城県慶長使節船ミュージアム周辺 「余がかつて黒船を建造して南蛮国へ遣わしたのは、異国の宝物を求めてのことではない。わが名をば、スペインやローマにもとどろかせてやろうと考えたのよ」 晩年の伊達政宗は、そばに仕える若者にそんな懐旧談をした。得意げな高笑いが伴いそうなせりふだが、大事業を発動した誇りとともに、幾分の負け惜しみが含まれているようにも聞こえる。 「日本スペイン交流400周年」が6月1日に始まる。皇太子さまと、スペインのフェリペ皇太子を名誉総裁に頂き、両国が官民を挙げて、文化、観光、科学技術、教育など幅広い分野で交流を深める。期間は来年の7月末まで。両国の関係に新風を吹き込むのが目的という。 日本とスペイン(西班牙)、日西交流400周年の出発点は、政宗が回