安倍政権との親密な関係で注目される任意団体「日本会議」の田久保忠衛会長が〈日本会議への誹謗・曲解を正す〉と題した寄稿を「月刊Hanada」8月号に掲載した。特筆すべきは、日本会議事務総長の椛島有三氏らと自民党参議院で大きな影響力を持っていた“ある元大物政治家”をめぐる騒動の真偽である。 田久保氏が寄稿の中で事実誤認と指摘したのが、「参院のドン」と呼ばれた村上正邦・元自民党参院幹事長に関する話だ。 その記述はジャーナリストの魚住昭氏の著書『証言村上正邦』にある、1995年の戦後五十年決議の文案をめぐる攻防について。このとき、決議反対の立場で加藤紘一政調会長(当時)らとの調整に臨んだ村上氏を、参院幹事長室に詰めかけた前出の椛島日本会議事務総長ら日本青年協議会のメンバーが突き上げたというくだりだ。 〈最終的な決議案文面変更に怒った椛島氏らが、村上氏のネクタイを摑んで怒鳴り散らした──とある