ブックマーク / shinichiroinaba.hatenablog.com (10)

  • 「震災/原発事故後の「政治」」 - shinichiroinaba's blog

    『アルファ・シノドス ―“α-synodos”』vol.46(2010/02/15)、vol.81(2011/8/1)から転載。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇高木仁三郎氏に感じた「違和感」 今回の東日大震災は十分にひどい経験であった。いや、過去形にしてはならない。未だにそれは進行中である。 それは従来日が経験したほとんどの自然災害と異なり、その被害が局地的にコミュニティを破壊するだけにとどまらず、複数のコミュニティに同時に襲い掛かり、かつそれらを結ぶネットワークをも寸断した。 正直言ってぼくはロジスティックス、物流というものを舐めていた。1個単位で商品の動向を把握するPOSが象徴する物流システムの洗練に、すっかり油断させられていた。日を含めた先進国において、電子的なデータ通信ならともかく、ものの流通がこれほど深刻に滞り、人命を危機にさらすようなことが起こりうるとは、正直想像

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    obata_hiroshi
    obata_hiroshi 2012/06/02
    尊皇攘夷的思想の帰結というか
  • ベーシックインカムとベーシックキャピタル――と金融屋 - shinichiroinaba's blog

    主義が嫌いな人のための経済学 作者: ジョセフ・ヒース,栗原百代出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2012/02/09メディア: 単行購入: 20人 クリック: 834回この商品を含むブログ (16件) を見るを読んでいて著者ヒースが「ベーシックキャピタルよりベーシックインカムの方がまし」という主張を「双曲線割引」というか「あぶく銭は身につかない」効果から説明している(北米先住民居留地における一時金や、宝くじ高額当選者の事例などで補強している)のを見て少し考えた。 言われてみればかなりもっともらしいのだが、ここに金融セクターは必ずやビジネスチャンスを見出すはずである。 ベーシックインカムが導入されれば、その受給権は将来にわたる担保として機能するので、既存の消費者金融はそこに新たなフロンティアを見出すであろう。 ベーシックキャピタルが導入されれば、これを預かって人のかわり

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  • いただきもの - shinichiroinaba's blog

    主義が嫌いな人のための経済学 作者: ジョセフ・ヒース,栗原百代出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2012/02/09メディア: 単行購入: 20人 クリック: 834回この商品を含むブログ (16件) を見る ありがとうございます。 右派批判と左派批判に大体等分にウェイトが割り振られたポピュラー・エコノミックス。ネオリベと左翼がどちらもなますに刻まれている。多岐にわたる論点を的確にまとめている良書であるので多くの方に是非お読みいただきたい。 プロローグのつかみは「いかに『ブレードランナー』が衝撃的だったか」。だって、広告があんなに存在感をもって登場するSFって初めてだったんだもん……。 まあ映画限定のネタですね。ポール&コーンブルース『宇宙商人』とか意地悪は言わんといてあげましょう。いや『レンズマン』にだって広告ネタはあったはず……。 著者は広義の批判理論系哲学者。経

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  • いろいろ - shinichiroinaba's blog

    Law and Revolution, I: The Formation of the Western Legal Tradition 作者: Harold J. Berman出版社/メーカー: Harvard University Press発売日: 1985/01/01メディア: ペーパーバック購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (10件) を見るLaw and Revolution, II: The Impact of the Protestant Reformations on the Western Legal Tradition 作者: Harold J. Berman出版社/メーカー: Belknap Press発売日: 2006/09/30メディア: ペーパーバック クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見る 邦訳を眺めて漠然たる不安に駆られて

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  • 「”話題の哲学者”マイケル・サンデルを読み解く」『Voice』8月号 - shinichiroinaba's blog

    Voice (ボイス) 2010年 08月号 [雑誌] 出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2010/07/09メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る 『諸君!』のときのようなカッ飛んだタイトルにはなりませんでした。

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    obata_hiroshi
    obata_hiroshi 2010/07/12
    読んできた
  • 和田一夫『ものづくりの寓話』(名古屋大学出版会) - shinichiroinaba's blog

    ものづくりの寓話 -フォードからトヨタへ- 作者: 和田一夫出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2009/08/10メディア: 単行購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (7件) を見る まだ途中までしか読んでいませんが、とにかく産業研究に興味のある人は必読。これを読むとフォードやトヨタについてのイメージが一新される――というわけでは必ずしもないにせよ、格段に深まるはず。 「大量生産」「流れ作業」あるいは「かんばん方式」「ジャスト・イン・タイム」といった言葉で来何が意味されていたのか、それが歴史的なキーワードとして継承されて(すなわち「神話(寓話)化」されて)いった中で何が忘却されたのか、を丹念に明らかにしていく。「大量生産」にせよ「トヨタ生産方式」にせよ、狭い意味での「現場」、生産ラインだけを特権的にクローズアップしてもその質は見えてこない。全社的、更には

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  • 「リバタリアニズム」概念について - shinichiroinaba's blog

    リベラリズム理論の文脈においては、前章で見たようなひ弱な/他律的リベラリズム、あるいはその法的・政策的側面を重視する保守的自由主義の場合には、安定性の方が重視されます。人間を取り巻く環境は多層的であるわけですが、保守的自由主義者は人を取り巻く人工環境、そして社会的制度・慣行に対しても、どちらかと言えば安定的であること、固定していること――「伝統」が確立していること――を求めます。それに対して、政治的側面を重視する逞しき/自律的リベラリズムの場合には、社会的制度・慣行のレベルでは安定性よりも可塑性を重視します。社会的な制度、慣行、ヒューム流に言えば「コンヴェンション」は、短期的には、また個人にとって、つまりミクロ的には安定して不変でなければならないが、長期的、多くの人々を含む社会のレベルでは、つまりマクロ的には可変的でなければならない、と考えます。ちなみにいわゆるリバタリアニズムの特徴は、伝

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  • 『1Q84』バブルをめぐって - shinichiroinaba's blog

    http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20090613/p1 の続きなわけだが。 バカ売れしていることに別に含むところはない。しかし絶賛ばかりで少々鼻白んでいるところだったので、東浩紀の『週刊朝日』でのコメントに少しばかり溜飲が下がる。 以前U2のHow to dismantle an Atomic Bombがやけに評判がよいので買ってみて、一聴なんともいえない違和感を感じたので、加藤秀一大先生にご意見を伺ったら「あれはU2自身によるU2ベストだから」とのことで納得した覚えがある。 ここで終わってしまえばこの作品は、山形浩生がクッツェーを評して言った「できあいの「問題」を上品に優柔不断化して安心させる仕掛け」、あるいは花村萬月に投げつけた「結構なご身分で。「ハルヒ」とかラノベと同じですな。」といった批判がぴたりとはまってしまうんじゃないか。そこでは寓意

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  • 「成長と不平等・再分配のマクロ経済学」関連 - shinichiroinaba's blog

    世界レベルで目立つスター研究者として 90年代にシュムペーター的内生的成長論で注目されたフィリップ・アギオン http://www.economics.harvard.edu/faculty/aghion マクロ数理政治学のトップランナーでもあるらしい、クラークメダルをとったダロン・アセモグル http://econ-www.mit.edu/faculty/acemoglu/ 数理政治学や行動経済学にも手を出しているっぽいロラン・ベナブー http://www.princeton.edu/~rbenabou/ あたりをベンチマークとして、彼らが啓蒙的な文書やサーベイ論文を書いていればチェックしていくといいと思う。(クルーグマンみたいな筆達者はいないようだが、アギオンなら先の欧州開銀のものやJPEの共著論文、アセモグルならニュージーランド財務省ペーパーや講演用パワポ、ベナブーならHandbo

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  • 「疎外」「物象化」をめぐってあれこれ無秩序に - shinichiroinaba's blog

    考え方はいろいろあって、まず「マルクスの思想は現代経済学ゲーム理論と整合的である」という大前提から出発する。そうするとここで「だからマルクスも再読に堪える」という考え方も出てくれば、逆に「だったらマルクスイラネ」という考え方も出る。この違いはどちらが正しいか、という問題ではない。要はそれぞれの受け手の側での事情の違いである。マルクスを含めた「思想」によりなじみの深い人文系インテリにとって「だからマルクスも再読jに堪える」という結論には十分に意味がある。こうした層にとってはマルクスと併せ読むことによって、現代経済学ゲーム理論の理解がはかどる可能性があるからだ。 ただそれだけで済ますわけにもいかない。 山形の場合も「だったらマルクスイラネ」という結論は、何の気なしに出されているわけではない。マルクスには激烈な副作用があり、その副作用を勘案するならば、なくてすませられるなら敬して遠ざけるに越

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