食品のおいしさを増強させる反応に「熟成」があります。味噌や醤油、ワインやウィスキー、食肉や魚肉などを、適切な状態で適切な時間寝かせることによって、「おあずけ」されただけのことはあるおいしさを手に入れることができます。 熟成の反応は、基本的に熱力学第二法則によるエントロピー増大、すなわち高分子が分解し、それによって低分子が生成する方向に反応が進みます。 具体的には、デンプンが分解することにより甘味成分が増大したり、タンパク質が分解することによってうま味アミノ酸が増えたり、脂質が分解することによって独特の香りが生成する反応などです。 この熟成に関わる反応には数々の「酵素」が関係していますが、発酵中、食品成分を「“ばらばらにする”酵素」というのはたくさん知られていますが、その反対の食品成分を「“つなぎ合わせる”酵素」というのは実に限られています。 その“つなぐ”酵素の一つに、「トランスグルタミナ
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