先日、女性の太ももの写真を展示するイベントが中止されたという話題に接し、性表現の自由について書いてみることにした。ただし、あの話題自体はここで述べることとは異なる枠組みで処理するべきものであり、本記事とはほとんど関係がない(記事作成のきっかけになったというにすぎない)。また、本記事は性表現の規制を主張するものではもちろんないし、性表現に対して強い保障を与える必要はないと主張するものですらない。本記事の目的は、ほとんど自明であるかのように巷間主張されている「表現の自由の重要性」について、改めて考える機会を提供することである。 性表現は、本当に重要なのだろうか。 表現の自由の重要性が古くから指摘されてきたことは事実である。しかしそこでいう「表現」とは、性表現のようなものではなく、政治的表現に代表されるような社会的意義を有する表現であった。 今日、表現の自由にかかる憲法21条は以下のように規定す