アジアの成長を表すイメージを探しているのなら、西オーストラリア州のピルバラ地区で掘られているいくつもの巨大な穴を見てみるのも悪くないだろう。 これらの巨大な穴からは、中国の超高層ビルの骨組みやインドの橋げたを造る鉄を製造するのに使われる鉄鉱石が掘り出される。アジアの成長が速ければ速いほど、オーストラリアの穴はそれだけ深くなるのだ。 過去10年間でオーストラリアのアジア向け輸出は急増し、輸出全体に占める割合は40%前後だったものが、今では実に72%に上っている。このことは、オーストラリアが自国の命運をアジア経済の潮流に完全に結び付けたことを意味している。 輸出の7割以上がアジア向け 同国の元首相、ポール・キーティング氏は、オーストラリア政府の米国との戦略的関係およびアジアとの経済的関係に触れて、ワシントンではピアノのペダルを踏むが、アジアでは鍵盤を叩くことがオーストラリアの立場だと表現してみ