ビッグ3救済法案が上院で否決され、険しい表情で電話をかける上院銀行住宅都市委員会のクリストファー・ドッド委員長=11日、ワシントン(AP) 【ワシントン=渡辺浩生】米上院でビッグスリー(米自動車3大メーカー)救済法案が事実上、廃案になったことで、ゼネラル・モーターズ(GM)は一気に破綻(はたん)の瀬戸際に追い込まれた。一時は超党派での合意の兆しもあったものの、土壇場で決裂した原因は、全米自動車労組(UAW)の抵抗だった。高額の人件費はビッグスリーの業績悪化の要因ともなっているが、救済法案をめぐっても最大のネックとなった。 ビッグスリーの従業員1人当たりの時給は、外国メーカーに比べて3割以上高い。労働協約に基づき、退職者の医療費まで負担し、解雇者にも賃金の大半を支払う大盤振る舞いが原因だった。10日に下院で可決された救済案に「厳しさが足りない」(マコネル上院院内総務)と反対を表明した共和党