自動車が家庭に普及した昭和のモータリゼーションやその後の少子化で利用者が減り、いまは物価高が追い打ちをかける-。公共交通の路線維持は厳しさを増している。 一方で高齢化が進む中、運転免許証を自主返納したお年寄りの外出機会の確保など「地域の足」の役割は重くなっている。開業100周年を迎える豊橋鉄道の市内線(市電)や渥美線もそうだ。 市電の輸送人数は1963(昭和38)年度の約950万人をピークに減少続き。新型コロナウイルス禍でさらに落ち込み、2021年度は約230万人だった。渥美線も大清水駅より西の渥美半島側は通学客らが少ない。売上の減少に燃料費高騰が重なって経営を圧迫し、運転士らの人材確保にも苦労しているのが現状だ。