【開発ヒストリー】 思わぬ発想がヒット商品に結びつくことがある。かかとが90度に曲がった無印良品の靴下「足なり直角靴下」は、ブランドを運営する良品計画の社長が発したひと言から開発が始まった。 ■「製造元を調べてみろ」 平成18年の春。雑貨の開発を担当する大伴崇博さんが自分の席でパソコンをのぞきながら構想を練っていたところ、肩越しに一足の靴下が差し出された。 差し出したのは、当時専務だった金井政明社長。靴下が自社製品でないことはすぐにわかった。ボーダー模様だったからではない。靴下のかかとが直角だったからだ。 「なんでこれが直角なのか、製造元と話をしてみろ」 確かにかかとが直角の靴下はあまりお目にかからない。製造元に問い合わせると「チェコ在住のおばあさんが手編みで作った靴下」と教えてもらった。 良品計画は世界中から独特の商品を探し出し、商品づくりに取り入れている。この靴下の情報は