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ブックマーク / kihamu.hatenadiary.org (9)

  • リバタリアニズムとは何か - on the ground

    最近、NHKで放送されているマイケル・サンデル氏の講義と、それに並行した宮台真司氏の「解説」によって、リバタリアニズムへの関心が一部で高まっているように見えます(見えるだけかもしれません)。 「【追補しました】リベラリズム・コミュニタリアニズム・リバタリアニズムについてのtwitterまとめです」@MIYADAI.com Blog 「米国におけるリベラリズムとリバタリアニズムのルーツ」@MIYADAI.com Blog 上のように展開されている宮台説を総合的に検討することは私の手に余りますが、サンデル講義や宮台氏のtweetを経由してリバタリアニズムに興味を持った人にやサイトを紹介することぐらいはできますので、以下ではそれをします。 リバタリアニズムの入門書としては、森村進『自由はどこまで可能か』が既に定番になっていると思います。2001年に出たですが、比較的最近にfinalventさ

    リバタリアニズムとは何か - on the ground
  • 「セックスの社会化」は可能か? - on the ground

    前エントリに対する反応は、目に入る範囲では相対的に批判的なものが多いかな。ブックマークでのコメントにお答えすることは普段無いんですが、「批判を歓迎する」とわざわざ書いたことだし、たまにはやってみましょうか。 (1)まず、性欲が三大欲求の一つというのは、話の導入として俗説に乗っかってみただけですよ。よっぽど「根拠不明」とカッコ書きしようかと思ったけど、わざわざ必要無いと判断しました。だいたい、「三大〜」とかいう類の呼称である時点で、科学的根拠を論じるレベルの話じゃないでしょう。生活感覚の話です。 問題なのは、「我慢しても死なない」からといって「必要」から除外してもいいという論理をもし仮に採用してしまうと、社会政策の範囲は恐ろしく切り縮められてしまうということで、その点は注意すべきでしょう。 (2)関連して、例えば名誉欲のような他の様々な欲求も社会が手当てすべきなのか(そんなことしたらきりがな

    「セックスの社会化」は可能か? - on the ground
  • セックスは自己責任でよいのか――性のケイパビリティとセックスワークの原則自由化を考える - on the ground

    このブログでセクシュアリティの問題を扱ったことは、あまりない。採り上げるほどの興味を持っていないということもあるが、セクシュアリティについて語ると、多かれ少なかれ個人的経験と結び付けて考えざるを得ない部分が必然的に出てくるので、ややためらわれるということが大きい*1。ただ、以前から考えていることはあるので、一度まとめて書いておくのもいいだろう。多分に問題提起的な性格の記事で、ほとんど何も調べずに書くことになるので、ツッコミどころは多いかもしれない。批判は歓迎するが*2、十分にお返事できるかどうかはわからないので、悪しからずご了承あれ。 人間の三大欲求は欲・性欲・睡眠欲だとよく言われるが、欲や睡眠欲の充足は社会的な手当てが必要だと考えられているのに対して、性欲の充足は倫理学や社会政策が問題にする人間の基的「必要need」からも除外されていると言っていい。これは実に深刻な問題である。とに

    セックスは自己責任でよいのか――性のケイパビリティとセックスワークの原則自由化を考える - on the ground
  • ポストモダンが要請する新たな政治パラダイム――Stakeholder Democracyという解 - on the ground

    私はリアルタイムで見ていたのですが、昨日の『朝まで生テレビ』に出演した東浩紀さんが、「インターネットがある現代なら、5〜10万人の規模でも直接民主政が可能だ」と力強く語っていました。この発言は、これまで彼が展開してきた一連の議論の延長線上にあるものなので、彼の読者にとっては特段新鮮な印象を与えるものではありませんが、その内容が刺激的なものであることは確かです。 過去に何度か採り上げているように、デモクラシーの新たな形についての東さんの提起に対して、私には賛成できるところとできないところがあります。明確に賛成できるのは、私たちが置かれている「ポストモダン」という社会状況についての認識と、「政治的意思決定の仕組みというものを原理的なところから考え直してみる必要がある」との問題意識に対してです。「ポストモダン」なる社会認識については、昨年「現代日社会研究のための覚え書き」と題したシリーズ記事で

    ポストモダンが要請する新たな政治パラダイム――Stakeholder Democracyという解 - on the ground
  • 数学を勉強することの意味――「1+1」の思想 - on the ground

    勉強することの意味を尋ねられたらどう答えようかな、などとはよく考えることがあるけれども、今日は特に数学に限定して考えてみようか。先日、数学を勉強するのは論理的思考を養うためだという旨の説明を横耳で聞く機会があって、それも一つの説明だろうなとは思いながら、ただそれだと国語との差別化が難しくなるだろうと感じていた(実際、その人は数学≒国語だと結論したのである)。 他の説明(説得?)の仕方としては、数学は現に「必要」になるし「役に立つ」んだということを示す方法や*1、数学は意味など無くても単純に楽しいものなんだよと見せつけるアプローチなどがあるのだろう*2。ただ、これらは誰にでも当てはまるわけではないという意味で、論理的思考の訓練であるという説明に比して汎用性は低いように思う。そこで、一種のトレーニングのためであるという説明の方向性を維持しつつ、国語とは区別された数学の独自性を損なわない形で論を

  • 一般想像力批判 - on the ground

    自分が小難しい類のを読むようになってからの短い年月の中でも、最近とみに「想像力」なる言葉を使いたがる論者が増えた気がする。その意味するところには差異があっても、誰もが想像力の「減退」や「枯渇」(あるいは「古さ」)を憂い、想像力の「回復」や「喚起」(あるいは「刷新」)を掲げる点では変わらない。 それぞれの議論の質はピンからキリまで様々なので、同じ言葉がやたら使われているからそれが問題だと言うつもりはないが、それにしても「想像力」などというフワッとした響きがマジックワードのように溢れ返っている状況には参る。 そもそも人間固有の想像力はそんなに変わらない。昔の人が滅法凄かったわけでも、今の私たちがとんでもなく進歩しているわけでもない。質量諸々、誰だってほぼ同じだろう。人間の想像力を大きなところで左右するのは、自然だったり技術だったり政治だったり経済だったり、要するに環境や状況だ。 現代人は「わ

    一般想像力批判 - on the ground
    ogajud
    ogajud 2009/09/14
  • 政治を巡って今読むべき10冊 - on the ground

    http://synodos.livedoor.biz/archives/958940.html こういうのを見ると、自分でも選んでみたくなる。とりあえず、ささーっと棚を眺めながら思い付いたところをリストアップ。古典は避け、なるたけ新しく、かつ政治との直接的な繋がりが見えやすいを選びました。 境界線の政治学 作者: 杉田敦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2005/02/10メディア: 単行購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (34件) を見る変貌する民主主義 (ちくま新書) 作者: 森政稔出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/05/01メディア: 新書購入: 10人 クリック: 123回この商品を含むブログ (67件) を見る集中講義! アメリカ現代思想 リベラリズムの冒険 (NHKブックス) 作者: 仲正昌樹出版社/メーカー: NHK出版発売日:

    政治を巡って今読むべき10冊 - on the ground
  • 倫理学には入門する価値があるか - on the ground

    動物からの倫理学入門 作者: 伊勢田哲治出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2008/11/20メディア: 単行購入: 16人 クリック: 209回この商品を含むブログ (54件) を見る 科学哲学の啓蒙書や論理的思考の指南書などで好評を得ている著者が*1、「なぜ動物は殺してよいのか」「動物に人間と同じ権利が認められないのはなぜか」などの問いを含む動物解放論を中心とした応用倫理学的問題系について語りながら、倫理学そのもの(メタ倫理学・規範倫理学)の展開と分布を説いていく入門書。扱われている範囲は広大であるが、文章は平易であり、文献案内も充実している。 すなわち良書である。が、つまらない。倫理学への導入を助ける一冊として、一般的には迷い無く推薦できる水準と言えようが、私にとっては心底退屈なだった。序盤から既に辛く、中途半端な知識を補完するために頑張って通読しようと志していたのだ

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  • トクヴィル『アメリカのデモクラシー』 - on the ground

    A.トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』(第一巻上下・第二巻上下、松礼二訳、岩波書店(岩波文庫)、2005/2008年)は、アメリカ論として、デモクラシー論として、社会学作品として、政治学作品として、エッセイとして、眩いほどの名著です。10か月に満たない滞在期間で、これほど広範な事象について、これだけ鋭敏かつ深遠な検討と洞察を加えているこの青年貴族には、感嘆を覚えずには居られません。150年以上前に書かれた古典でありながら瑞々しさを感じさせるその文面に触れると、巧みな訳業に敬意を覚えるとともに、この作品が長い間それほど熱心に読まれていたわけではないという事実に対して信じられない思いがします。久し振りに「こう在りたい」と思わせる知性の形に出会えて嬉しかったです。以下、いくつかの部分を引用します。単純に面白い記述は他にいくらでもあるのですが、ここでは個人的に重要だと感じた箇所に限定しました

    トクヴィル『アメリカのデモクラシー』 - on the ground
    ogajud
    ogajud 2008/12/15
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