ヴィッセル神戸のカイオジュニオール監督は、来日時「規律ある攻撃サッカー」を目標に掲げた。ブラジル人が眼鏡をかけただけで、知的な人に見えてしまう単純な僕であるが、昨日の試合をみるかぎり、噂どおりこの監督は、理論的で几帳面な人なのだと確信するに至った。右SB石櫃洋祐のポジションを一列あげてまでして実現させたかった3バック、北本久仁衛・河本裕之・宮本恒靖と見事なまでに「本」という漢字で脚韻を踏んでいる。これにGK榎本達也まで加えると、実に4人の「本」が一堂に会すという徹底ぶりなのである。かくしてエノ・キタ・カワ・ミヤ、四本の鉄杭の上に築かれし神戸の砦を、東京は攻略するどころか、接近する事すらままならない。前半はとにかく観ていて苦痛だった。春の陽気、ところが日の傾きに先んじて試合内容が味の素スタジアムを冷やしていった。 遂に実現した梶山陽平・大竹洋平「ダブル・ヨーヘイ」のトップ下コンビだったが、そ