「敏捷性という点で、日本人の方が上回っていました。だからポジションをしっかりと相手と相手の間に取れば、ボールをまわすことができた。むしろもっとまわせたと思うくらいです」 高橋秀人(FC東京) はるばるドイツまでやって来たFC東京の選手たちは、コンメルツバンク・アレナのロッカールームで気持ちをひとつにしていた。 「相手を本気にさせてやろうぜ」 折しも東アジアカップが中国で開催されており、FC東京は日本代表の森重真人、太田宏介、米本拓司、権田修一を欠いていた(権田は体調不良で同大会を辞退。ドイツ遠征にも帯同しなかった)。 だからこそ、逆に選手たちの士気は高まっていた。アンカーの高橋秀人はこう振り返る。 「相手の方が格上ですし、少なからず日本のクラブということで甘く見られていたと思うんです。だからみんなで『どれだけ早い段階で相手を本気にさせるか』をポイントにしていました。俺たちもやるんだぞ、とい