iPS細胞と言えば再生医療の未来に大きな期待を抱かせ、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授にノーベル生理学・医学賞をもたらした研究で有名だが、その英語論文を読み解き、さらに一歩踏み込んだ研究をしている高校生たちがいる。老化した細胞からiPS細胞をつくりだす効率を改善するというテーマに取り組む吉本楓さんは、東京都港区にある広尾学園高校の医進・サイエンスコースの2年生だ(当時)。今年、卒業した彼女の先輩、森下彩華さんと丸山梨乃さんは「生物の寿命を決定する要因」を研究したが、森下さんは最初、ES細胞やiPS細胞からその秘密に迫った。一方、丸山梨乃さんはプラナリアという再生能力が高い生物を使ってその研究をした。 吉本さんらは夏休みに渡米し、自らの研究内容をカリフォルニア大学デービス校やスタンフォード大学でプレゼンテーションする機会も得た。普通の高校ではなかなかない体験だ。 広尾学園で活躍するのは