スマートフォンの利用者数が急激に増加する一方で,利用者が不安を覚える問題の発生も増加している。スマートフォンを介してどのような情報が取得され利用されているのか,利用者が認識することができないまま,不透明な情報の取扱環境が存在する。不正アプリによる,スマートフォン内部に記録されているさまざまな個人情報の不正取得および外部送信が問題となる事件が発生している。そこで,本稿では,現行の個人情報保護法に照らして,スマートフォンを介して取得し利用される個人情報の取扱いにあたって,具体的にどのような対応が求められるのか整理をした上で,スマートフォンを安全・安心に利用するにあたっての指針として,セキュリティとプライバシー・個人情報保護の両面からの取り組みを紹介する。 スマートフォンの利用者数の急速な増加1)は目覚ましいものがあり,その増加率は昨年1年間で倍増との調査結果注1)もある。スマートフォンのメリッ