表面的な言葉と本当の言葉 本書では多くのページを割いて、傾聴トレーニングの実践についての想定問答集が作られている。 そこにはさまざまな問題を抱えた人物が登場する。 不登校で苦しむ女子中学生や引き篭もりの息子を持つ母親、就職の面接が不安だと訴えるニートの青年などだ。 これらの人々が話し手となり、想定問答が書かれている。 そこで分かることは、人は誰しも、最初から本音でなんか話せないということだ。 話したくないから話さないのではなく、どう話していいのか分からない、というのが実際のところだろう。 聞き手を信頼していいのかも分からない状況で、自分自身も問題を抱え困惑しているのだ。 そのような状態で、理路整然と自分の抱える問題をスラスラ話せるわけがない。 そこで必要になるのが傾聴する技だ。 話し手の言葉一つ一つを聞き逃さず、そこに隠された重要なキーワードを探り、そのポイントに会話を誘導するのだ。 先ほ