3−3の同点で二死二、三塁からイチローは守護神・林昌勇(ヤクルト)から中前へ2点適時打を放った。 「ぼくは持ってますね。神が降りてきたという感じ。日本中のみんなが注目しているだろうと思って、自分の中で実況して、結果が出ないものですが、それで結果が出て壁を越えたと思います」と冗談混じりに自画自賛した。 決勝戦は4安打と韓国投手陣を粉砕したが、東京の第1ラウンド、米国の第2ラウンドになってもバットは湿りっぱなしだった。 「もう苦しいところから始まって、苦しいが辛いになって、心が痛んで、最終的に笑顔になった」とスーパースターも打てないプレッシャーに押しつぶされそうになっていた。 それでも、日の丸を手にしてドジャースタジアムを一周して世界一をアピールでき、「気持ち良かったですねえ。ほぼ、いきかけました」と最後まで興奮状態はおさまらなかった。