2006年11月に亡くなった実相寺昭雄監督。『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の他、 ATG映画『無常』(70)はロカルノ映画祭グランプリを受賞、『帝都物語』(88)、 『屋根裏の散歩者』(94)、『姑獲鳥の夏』(05)など多くのヒット作、異色作を残した。 撮影=中里和人 実相寺昭雄監督(1937~2006)といえば、『ウルトラマン』『ウルトラセブン』で子どもたちのトラウマになるような強烈なエピソードを残した異能の映像作家。特撮ファンには”ウルトラの師”として崇められる一方、オペラ、クラシック音楽への造形が深く、また書家、路面電車愛好家としても有名だった。ウルトラマンが”光の巨人”ならば、実相寺監督は”知の巨人”とでも称すべき知識人だった。現在公開中の映画『希望ヶ丘夫婦戦争』は、実相寺監督が文才をふるった同名短編小説を原作とした艶笑劇。”エロス”に対する実相寺監督の並々ならぬ探究心が伺える